Ken Yokoyamaの2023年は凄かった。まずは5月に「Better Left Unsaid」、9月に「My One Wish」、11月には「These Magic
Words」と3枚のシングルを立て続けにリリースしてきた。リリースだけでは無い。コロナ禍では行ってこなかったライブハウス公演を解禁し、帰ってきたパンクの王様を印象付けたかと思えば、自身初の日比谷野音やLINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)を含むこれまた初のホールツアーまでやってのけた。これまでのKen
Yokoyamaの活動からは想像出来なかった出来事だが、長い長いコロナ禍を黙々と音源制作やライブのあり方に向き合い、逆境を乗り越えたバンドは気付けば新たな武器を手にしていた。そんな近年の集大成とも言うべき作品が今回のアルバムだ。
軽快なリフで幕を開けるオープニングナンバー”Parasites”では直球のメロディックパンクを披露したかと思えば、”Show Must Go
On”ではミッドテンポに乗せて[なにがあってもショーを続けなければならない]と決意を歌う。ライブではすでに定番曲になりつつある、先述の3枚のシングルからもリード曲3曲が収録と聴きどころ満載。